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2025年 10月 13日
鏡の中の夫
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私は99.5%の人と相容れないし、99.5%の人は私を誤解していると感じる。私ほど本来の姿と真逆の人間に見られる人も少ないのではないだろうかと思うほどに。ほとんどの人は面倒臭いから表層しか見ないのだろう。だってその方が楽だから。夫も誤解されやすい人だと思う。私も最初冷たい人なのかなと思っていた。それでいて一緒にいて心地が良いのが不思議でならなかった。

夫をよく知らない人は、とにかく優しそうという。よく知る人はとても怖くて厳しくて真面目な人間だという。そしてそのどちらも本当の姿あることを知っている数少ない人物が私であると自負している。そしてお腹がよじれるくらい面白い人であることも。相手を知ろうとするということはとてもエネルギーがいることなのだ。夫も同じだけの熱量を持って私という人間を知ろうとしてくれた数少ない人である。そんな熱量を持った人が、冷たいわけがない。

夫が首からぶら下げているのは、図工も美術も「2」の私が作ったシルバーリングである。この人と結婚しようと決めた時に、友達と工房へ行き、指輪を2つ作った。これを婚約指輪と称して、夫にひざまづいて(ちょっとやってみたかったから)「結婚してください」といって渡したけれど、サイズが合っていなかったというオチ付きだった。サイズが大きすぎたので、夫はずっと首からぶら下げている。工場で粉塵の中で働いているから結婚指輪は仕事中は外しているらしいが、これはつけているのかな。わからないけど。この指輪作りは本当に辛くて(笑)つくづく私は不器用で、ものづくりが嫌いだということを痛感する作業だった。

それでも夫にとっては一番のプレゼントらしい。私が少し不機嫌になりながら作っている姿が容易に想像つくのだろう。それを含めてこの指輪を愛おしそうに大切にしてくれている。


by sudi.s | 2025-10-13 20:10 | SIGMA DP3Q


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