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2021年 09月 16日
少年
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ずっと気持ちも身体も重く、引きこもり気味だった。正確には仕事と股関節のリハビリには行っているので、本当の引きこもりではないけれど、時間があって天気が良くても写真を撮りたいという気持ちになれなかった。何を見ても心が動かない。なぜだかよくわからない。自分なりの分析によれば、いつか歩けなくなるのではないかという不安が今一番大きいのだと思う。コロナが終息したとしてもこの股関節で海外渡航は難しいかもしれないという不安がとても強いストレスとなっている。もちろんそれによって写真を撮る気が失せているのかどうかはわからないし、結局のところ何を言ってもただの言い訳な気もするけれど、毎日この痛みと向き合っているうちに気分が滅入ってきたのは確かだ。

それでも毎日となりにカメラはある。「撮りたいものがわからない」と家で呟いていたら「そんなの元々そうじゃん」と夫に言われた。「撮りたいものがあるわけではなくて、目に飛び込んでくるものを撮ってるんだからさ」と。確かに。夫は私の写真に興味がない割に本質をついたようなこと言ってくるのが不思議だ。そう要は飛び込んでこないってこと。そして私はなんだかとても疲れているということもまた事実。

急に思い立って海へ。引きこもりの私の久しぶりの遠出といえば遠出。写真を撮りにいくわけでもなく、撮りたくなければそれでいいし、撮りたければ撮ればいいし。春先以来の湘南だったのだけれど、気持ちよかった。少し暑すぎたけれど、やっぱり三重の子海の子ってことでとても落ち着く。

今まで精神的に辛い時は必ず海を見に行った。それが埋め立てられた東京湾でも構わなくて、とにかく水辺に足が向くのは昔から変わらない。写真をやっていて楽しいばかりではなく、苦しかったり、辛かったりすることもあるのだけれど、全く写真を撮らない日々というのはやっぱりとても寂しくて寂しくて仕方ない。語彙力がなくてうまく表現できないのだけれど、悲しいわけでも悔しいわけでもなく、つまらないというのも違って、ただただそれは寂しい。


by sudi.s | 2021-09-16 17:49 | SIGMA DP3Q


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