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2021年 01月 17日
ありがとうございました
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ピクトリコさんとの企画展が終了しました。コロナ禍にも関わらず、ご来場いただきました方々には深く御礼申し上げます。


在廊する予定がないと言いつつ、かなりの頻度で会場へは出向いた。それで30分から1時間くらい滞在して、誰も来ないから帰る。そんな繰り返し。それでも偶然逢えた方もいて、それは本当にとても嬉しかった。私がいて驚かれ、たまたまですと答えるとそれはラッキーだったと言われた。けれど、ラッキーだったのは私の方だった。

今回気づいたこと。私が展覧会を開く目的の一つは、やはり来場してくださる方とのコミュニケーションというのがとても大きいということ。毎回搬入し終わった時点で展覧会は終わったものも同然なのだけれど、それは私の中でできることが終わったということに過ぎない。そこからまた見てくれる人が作り上げてくれるものが別にある。そして私はそこからエネルギーをもらって、それを心と身体に刻みこんで、次への原動力としている。

今までの展覧会とは違い、ご来場頂いた方々にお会いすることはほとんどできなかった。そういった意味での物足りなさは残ったものの、いつも個展に来てくださる方が、また私の写真を初めて見てくれた方が、SNSでシェアしてくださり、熱いメッセージやメールをくださった。ピクトリコさんへメールしてくださった方がいたとも聞いたし、会場にその場で書いたと思われるお手紙を残してくださった方もいた。

生の声を聞けなかったので、そのメッセージやメールに大変励まされ、勇気をもらった。どれだけ展覧会をやっても、私は今でも初めての発表会でピアノの演奏をする子供のように心細く不安でならない。毎回毎回確認しなければならない。自分はこれでいいんだと。自分はこういう風にしかできない。それでいいのだと。そういうことを16年経ってもまだやらなければならない。永遠に自信など持てそうにない。発表することに慣れっこになりたくないと以前書いた気がするけれど、到底なれそうにはない。

今回はコロナ禍、緊急事態宣言下というかなり特殊なタイミングでの展示だったけれど、無事に予定通り終えられて本当によかった。今はホッとしている。お話をくださったピクトリコさん、本当にありがとうございました。たくさんの写真家さんがいる中でお声をかけてもらえたこと本当に本当に嬉しかった。設営に関わってくださったスタッフの方々にも感謝です。ピクトリコさんとの企画ということで、今回シルバーラベルプラスのペーパーを使用させていただいた。エプソンのプリンターでプリントしたのだけれども、プリント工房でプリントしたと誤解をされる方も多いようだった。プロのプリンターさんが工房でプリントされたプリント方が当然ながら私のプリントよりずっとずっと質の良いプリントです。

本来ならピクトリコさんの企画展であるので、もっと販促要素の強い展示であるべきだったと思うのだけれど、最初から最後の最後まで作家の想いを一番に考えていただいた展示だった。コロナ禍で発表の機会を奪われている私たちに少しでも発表の場を提供したいという想いが感じ取れた。素敵なイーゼルと共にカッコいい空間を作っていただいた。カッコ良さというのはとても重要なことで、美しさも品性も内包されていることを意味する。私が表参道のギャラリーに惚れたのもそういう理由だった。

私がずっとお世話になりっぱなしのシグマさんも同じなのだけれど、作家を大切にしてくれるメーカーさんに私は恵まれている。自分の実力というものを信じていた30代の自分とは違って、40代の私は自分の実力なんてものはそもそも存在していないと思っている。どれだけ辛い思い悔しい思いをしても、ただ好きで好きで仕方がないものを手放せず、やめようとしてもやめれず、ずっとやり続けている。それを見続けてくれている人たちの支えや協力があって続けることができている。

そして何より感情が忙しく激しい私のそばにいて、強く静かに見守り続けてくれている最愛の夫に心から感謝。今回ブラックインクの消耗の尋常じゃない激しさを見て(私の写真って黒いからね、笑)インクをプレゼントしてくれた夫の気持ちの優しさは出会った時から変わっていません。

最後にインスタやFBには一足お先にアップしていた、お約束のヘタッピ動画はこちらから。酔わないようにしてください!さらに館内の音楽アナウンス等も入っていますので、ミュートでご視聴をお勧めします。

ありがとうございました_a0011962_17011745.jpg

シグマさんから頂いた可愛いお花と。会場の「御挨拶文」もおまけ。

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作品展をご覧いただきましてありがとうございます。このような厳しい時期に作品を発表することは正しいことなのか定かではありませんでしたが、世界中の多くのアーティストが発表の場を奪われている今、このような機会をいただけてとても感謝しています。

コロナウイルスの発生から、自分がしている自己表現とは生きていくうえで必要なことなのか考えさせられました。テレビの向こうに流れるニュースを見ながら、自分の表現を含めた自分の人生さえも全く意味をなさないものにも思えました。

多くのアーティストのように、アートで社会に対して何ができるのかーそんなことを考えたこともないし、何かができるとも思ったことがありません。私がどんな困難な時でもカメラを手放すことができないのは、それが私の生きる喜びであること、生きる希望であることだからです。そしてその私の喜びや希望のかけらを見て、何かを感じ取ってくださる方がたった一人でもいるのなら、そこに意味があるのだと思っています。

今回は今年オランダで発表した作品を含めた11点の作品を展示します。私たちに早く日常が戻ること、そしてその時に改めて展覧会を開催したいと思っています。

Thank you for visiting my exhibition.I was not sure if this would be the right time to show my work, with the third Covid-19 wave hitting and the situation getting worse. However, I appreciate that I have been given an opportunity to show at a time when so many artists all over the world have had to give up their shows because of Covid-19.

Since the outbreak of Covid-19, I've been wondering if what I do is necessary or important for humans to live. I feel like all that I do and even my life means nothing.

Like many artists, I do not think of my work as an instrument of social change. I continue shooting even through difficult times. It comes from my joy of life and my hope for living, it means a lot to me even if only one person feels something from my work.

In this exhibition I will be showing some of my limited edition prints including those which were shown at Haute Photographie in the Netherland in Feb 2020.

I look forward to getting back to normal soon so that I will be able to show my work in a full exhibition.

I hope you enjoy the show.

Sudi




by sudi.s | 2021-01-17 17:08 | 写真展


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