2016年 10月 15日
Portrait
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よく眠る人だなというのが最初の印象だった。

一年中、規則正しく早寝早起きの夫。5時か6時かに目覚めて、昼寝を必ずし、さらに10時頃には寝る。家の中で何もせずにダラダラしている姿はほとんど見たことがなくて、アクティブに動いているか、きちんと寝ている。どちらかである。だから彼を撮るのは必然的に寝ているところになる。

新婚だから毎日楽しくて仕方ないでしょうと色々な人に言われてきたけれど、そんな夫婦っているのだろうかとか思う。楽しくて仕方ないのは付き合いたての若いカップルの特権であって、夫婦はそういう感覚とは少し違うと個人的には思う。夫といる時間は楽しいし、ふとした瞬間に幸せだなあと感じるけれど(泣けちゃうときもある)、日々の生活は現実の連続であって、楽しいだけでは暮らせないのは当然のことだろう。

とくに我が家は面倒臭い私と気難しい夫の組み合わせなので、喧嘩に限りなく近い議論は頻繁に交わされ、新婚とは思えない。もっとも夫いわく、新婚であるがゆえにお互いまだ理解しあえていないーからこそ分かり合うための必要不可欠な衝突でもあるらしい。「長い目でみてほしい」とは出会った当初から言われていたセリフだ。私が短気で結論を急ぐ性格なので、自分たちの関係性を早々に決めてしまわないでほしいというのが彼の言い分だった。喧嘩のたびにそう言われて、気付いたら結婚していたから不思議だと思う。

不幸にも幸せな夫婦のサンプルをあまり目にすることなく40すぎまで生きて生きてしまったので、結婚に対する憧れも願望もなかった。でも結婚し、やっぱりよかったなと毎日思う。何が良かったわからないけれど、結婚してよかった。真冬に温かいお風呂に入った瞬間に似た幸福感がある。わかりづらかったらすいません。

そして結婚してわかったこと(まだ短いけれど)は結婚しても自身は変わらないということだ。田舎から東京へ出たとき、日本から海外へ出たとき、今までの自分と違う自分になりたかった。新しい自分のようなものに。そして結局田舎を離れようと日本を離れようと、自身はずっとついて回るという当たり前の現実に気付く。それと同じように結婚したからといって、いきなり違う自分にはならないし、悩みもなくならない。深いところにある孤独感もなくなることはない。人間はやはり孤独な生き物なのだということが再確認できた。だからこそ人は誰かといたほうがいいと思う。独りで生きるより誰かといたほうがいいと痛感する。矛盾しているようだけれど、孤独とわかっていながら、愛おしいと思える人とともにいることがとても大切に思える。それが新婚の私の感想のようなものです。

by sudi.s | 2016-10-15 23:41 | SIGMA DP3M


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