2014年 04月 05日
桜雪
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桜が好きじゃなかった。

と過去形なのは、今はそれなりに桜を美しいと感じ愛でる気持ちがあるから。歳をとったのかもしれない。もっとも桜が嫌いというより、どうしてこれほどまでに多くの人が桜に興じるのか、そこまでさせるものは何なのかがよくわからなかったからかもしれない。

桜の名所へ出向くより、近所の小さな川岸に咲く桜が好きだ。ずっと見ていても飽きない。ハラハラとまるで粉雪のように舞う桜が好き。咲いている桜より散り行く、または散ってしまったそれらが。

桜はなんとなく哀しい。見ていてとても哀しい気持ちになる。楽しい気持ちになどならない。私はぼーっとベンチに座って、ビニールシートの上で花見を肴に酔っぱらう人たちを見物する。まるでお葬式みたいだとか思う。子供のころ、葬儀の後に宴に興じているかのように見えた大人たちのことを理解できなかった。こんな悲しいときにどうしてお酒を飲んだり食べたりできるんだろうと。

それに関しては色々な意味があるようだけれど、故人を偲ぶ行為の一つではある。だから私は桜の下で宴会に興じている人たちをみていると、それと同じ感覚になる。散り行く桜を楽しみ偲んでいるかのような。でも実際は飲みたいだけの人も多いんだろうけれども。

今年の桜も本当に美しかった。

by sudi.s | 2014-04-05 19:50 | SIGMA DP3M


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