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2011年 09月 17日
cafe
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芸術の秋ということで(ということをアメリカ人に話したら、秋と芸術ってなんの関係があるの?と言われた。これ日本だけですか?)先週ふらふらとオペラを観てきました。まあオペラってふらふら観にいくものではないのですが、これまた得意の頂き物で「カルメン」を拝見させていただきました。素晴らしい舞台だったのだけれど、オペラって本当に高くて、果たして5〜6万払う価値があるのだろうかという疑問はなくはないです。バレエでも音楽でもチケットプライスの高騰は異常なものがあるよね、と友人と話していて、私のまわりの音楽家の友人たちは一様に「日本は高くても払うお客がいるから、どんどん高騰する」と言い、それを聞いてなるほどーと思った。

都内で個人的に一番いいと思うホールは上野にあるホールで、バレエやオペラを観るならここだなあといつも思う。今回初めての4階でドキドキしたけれど、聞いていたほど怖くはなくて、ただサイドのバルコニー席は見ているだけで落ちそうで怖そうでした。しかし5階まであってエレベーターもエスカレーターもないところがなかなか強気ですが、ホール自体は重厚感があって、私は好きです。公民館のような安っぽい作りのホールほど興ざめすることってないので。

このホールには色々思い入れがあって、今でも鮮明に覚えている舞台はここであることが多いです。昔も書いたことがあるけれど、亡きジョルジュ・ドンの最期の舞台をみたのもここで、そのときもチケットは取れず、たまたま知人の知人の知人という人が(笑)、とてもよい席を持っていて、ただ本当に好きな人にあげたいと私に譲ってくださったのです。ドンのボレロは痛々しくも凛々しくもあり、強い衝撃ですぐには帰宅できなかったことを覚えています。そのあとすぐにエイズで若くして亡くなってしまい、本当に最期のボレロとなりました。私はそれを観ることができて本当に幸せだと思います。写真家はプリントを残すことができるけれど、踊り手はそれができません。それでも私の胸深くには残っているものがあるーと思うとそれはそれで感慨深いものがあります。

by sudi.s | 2011-09-17 22:05


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