2011年 09月 11日
あれからもう半年。外出時に鞄に懐中電灯を忍ばせることも、いつしかしなくなった。いつの間にか、ヒールも履くようになった。 私はブログ仲間もいないし、定期的に読むブログもほとんどないけれど、ひとりだけ私が写真をはじめたころから拝見しているブログがある。以前、私のブログに毎日のようにコメントをくれて、漫才の掛け合いのようなやりとりをよくした。 個展に足を運んでくれて、オフ会のようなものも企画してくれて参加させてもらった。それ以外にお会いしたこともないし、メールのやりとりも特別ないのだけれど、密かにブログを読ませてもらっている。 仙台に転勤されたのが去年だったと思うのだけれど、素敵な風景のお年賀状をいただいた。だから今回ニュースを聞いたとき、その葉書の住所を見て愕然とした。メールの返事は来なかったし、ブログの更新も当然なかった。友人と呼べるほどの近しい方ではないけれど、なんともいえない気分で落ち着かなかった。1ヶ月が過ぎるころ、やっと消息がわかった。無事とわかり、本当に本当に安心した。 今も時々更新される彼のブログには、哀しみとも、怒りともいえる、なんともいえない心の叫びが溢れていて、時々直視できない。決して報道されることのないずっとリアルで切実な感情を私は自分の中でどう消化したらよいのだろうかと思う。先日、日本赤十字社から届いた封書の中には、4月上旬に送金したわずかな義援金の御礼と大切に使わせてもらいます、、というような未来系の文章があった。それに私は少なからずショックを受けた。彼の言うとおり、時間は止まったまま、まだ本当に何も始まっていないのだなあと。 いろんな意味であの日を境に人生が変わった人は多いという。私自身はこの震災で何か変わったかなあと考える。あの日私の身に起きたことを人に話すと皆が驚いてドラマのようだ、運命的だと口々にいう。私もそう思う。何かが大きく変わったかと思った。でも実際は何も変わることはなかった。非日常は日常に戻り、以前と同じように毎日を淡々と過ごす。たぶんそれでよくて、それがとても大事なことなんだろう。そしてやれることはやれるときに、逢える人とは逢えるうちにそうできるときにやっておこうと強く思う。後悔がないように。
by sudi.s
| 2011-09-11 23:23
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